湯どうふ

インドに行った話

初インド

先日、インドに行った。ムンバイという大きな街に行った。インドではこれでもかというほどたくさんのカレーを食べた。一日3食、朝から晩までカレーである。1週間の滞在だったので、最大21食のカレーを食べることになる。カレーを21食も食べると腹がおかしくなることくらい、インドに行く前からわかっていたので、なるべくカレーを食べなくてもいいときには、カレーを食べないように心がけていた。行きの飛行機にはたくさんの強そうなインド人が乗っていた。

CAさんが私に尋ねる。

「Chikin or curry?」

こんなところで1カレーを消費したくなかったので、迷わずチキンを食べた。

インド亜大陸

生まれて初めて、インドシナ半島を東から西へ突っ切った。正直、インドには行きたくなかったので、頼むからホーチミンに着陸してくれと心の中で思っていた。しばらくして、コルカタ付近からインド亜大陸上空に入る。とてもわくわくする。でも、眠かったのでボーッとしていたら、ムンバイ空港に着陸した。とうとう着いてしまった。

早々に「パスポートみせろ!」

インドではパスポート見せろと言われても、見せてはならないと、誰かから指導を受けていた。母国に帰りたいので、絶対見せるもんかと緊張していたら、早速スニーカーを履いたラフな格好のインド人が 

"Show me your passport!"

と言う。全身に緊張がみなぎる。絶対に見せるもんか。その男性が身分証を見せてくる。税関の職員だという。でも、パスポートを見せるように言われたのは私だけである。そもそも、スニーカーを履いて、シャツをズボンの中に入れていない税関職員など、どこの国でも見たことがない。

「なぜ見せなきゃいけない?」

毅然と言った。彼は呆れたような顔をして私から離れた。インドっていうところは早速危ないなと思って、足早に税関を通過しようとすると、さっきの男性が突然私の前に立ちはだかる。ここに来て初めて、この人は本当に税関の人かもしれないという思いが頭をよぎった。周りにはちゃんと制服を着た税関職員が他の仕事をしている。彼にパスポートを渡して、走り去られたとしても、公的な空間にいるので、なんとなるだろうという気持ちに傾いてきた。正直、インドに行きたい気持ちもないし、どうとでもなれとの思いで、思い切ってパスポートをその男性にみせる。彼はパスポートを入念にチャックして、

「行け」

どうやら、本当の税関職員だったらしい。インドは危ないインドは危ないと思い続けてきた私であるが、真に危ないのはこの私であった。

インドと私の消化器

それほどインドに対して真剣ではない日本人にとっては、いかにしてカレーを食べないかということは非常に重要な問題である。基本的に滞在中は、私はおもてなしをされる立場だったので、常に高級で美味しいカレーを食べさせてもらっていた。その場で知り合ったインド人に話を聞くと、とびきり豪華なカレーらしい。正直、カレーに高級・普通・安っぽいの違いがあるとは思わなかった。日本のマックスバリューで1袋100円のレトルトカレーと1袋250円のレトルトカレーがあることを思い出したけど、どうもそんな程度の差ではないようだ。そのインド人は、

「特別な日だから特別なカレーなんだ!」

と言って、最終日もバクバクカレーを食べていた。私たちのために、その「おもてなしカレー」は辛さを控えめにしてくれていたようだ。インドを訪れた先人たちから、インドのカレーはとてつもなく辛いと事前に脅されていたので、「なんだ余裕じゃん」と思いながら、3日間食べ続けていた。

しかし、インド滞在4日目に明らかに腹の様子がおかしくなった。腹も空いていないのに、ゴロゴロなり続けている。だからといって、腹が痛くなるわけでも、便意があるわけでもない。ただただゴロゴロ鳴っている。不思議なもんである。

インド滞在5日目、朝トイレに行くと軟便と下痢の間のような結果だった。とうとう腹が限界を迎えたことを悟った。幸いにも、腹痛はないし、発熱もない。ただただ腹がゴロゴロ鳴って、一日2,3回下痢をするという状態である。それでも私にはカレーを食べる以外の選択肢はない。4日目になると、下痢をするからカレーを食べたくないという理由以外に、純粋にインドカレーに飽きたので食べたくなくなる。細長い米も食べたくない。サラダとかパンとかアイスだけを食べる実存になってしまった。

私以外の友だちもカレーに飽きているようだ。友だちの国ではそもそもカレーを食べるチャンスがほとんどないらしい。彼はダルカレーも知らなかったし、ラッシーも知らなかった。今回の旅で、日本人は比較的インドカレーに対して理解のある人達であることがわかった。なぜなら、日本にはたくさんのインドカレー屋があり、インド人の作るインドカレーに簡単にアクセスできる環境にあるからである。さらに、カレーライス・スープカレーという和食化したカレーを開発した人々でもある。中国本土の友だちに話を聞いても、インドカレーを食べた経験はほとんどなかった。

カレーからの一時避難

カレーに対する我慢の限界、ついにその友だちとケンタッキーフライドチキンマクドナルドという世界の王道を攻めた。結論から言うと、両者とも思ってたのと違うものを食べることになる。インドのケンタッキーはすべてクリスピーである。日本のように、小麦粉とスパイスの皮で覆われていない。そしてデフォルトで辛い。副菜はカレーライスかフライドポテトを選ぶ。マクドナルドでは牛肉のパティのハンバーガーが供されていない。牛は神聖なものなので食べられない。つまり、ビッグマックがないのでビッグマック指数でもってインドの物価を測ることができない。ビッグマック指数 - Wikipedia

帰国後も下痢は続く

帰国後も下痢は続いた。1週間粘ったが、依然として治らないので病院に行った。抗生物質と整腸剤などをもらった。大腸菌の仕業であるとの医師の見立て。

 ムンバイの風景

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インドの足場

インドの足場である。アジアでは竹・丸太など、自然材料による建設足場をよくみかける。見た感じすかすかなので、本当に足場として機能するのか不明である。

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白い建物が多い

 たくさん見えるダイハツミゼットみたいなやつは、オートリクシャという三輪タクシーである。メーター制であり、2,3キロくらいなら20、30ルピーで乗れる。私は常に複数人で乗ったので、ぼったくられることはなかったが、用心する必要がある。スマホが使えるのであれば、Uberを使ったほうが良い。でも、ムンバイの渋滞はとてもはげしいので、20分くらいは待たないといけない場合も往々にしてある。

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洗濯街と高層ビル

 有名な洗濯街である。一人ひとりが担当する持ち場(地域)が決まっている。かつては官公庁などと契約することで発展したらしい。遠くに見えるのは建設が進む高層ビル。ムンバイの伝統と今の成長を同時に見ることができる。隣には鉄道の駅がある。

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洗濯街の隣の鉄道

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ゾロアスター教徒(パーシー)の斎場近くの公園

ヒンドゥー教徒の多いインドには、ゾロアスター教徒の人たちも一定数いる。有名なところではクイーンのフレディー・マーキュリーの家族がそうである。ゾロアスター教では死後遺体は鳥葬される。写真の向こうに鳥葬の施設があるらしい。流石に今日では、遺体は化学的な処理を施してから鳥葬される。それでも、鳥が遺体の指などをくわえて、周辺に落としてしまい、びっくりする周辺住民もいるそう。でも、ゾロアスター教徒は古くからインドに住む人たちなので、敬意が払われているので、このような公園が作られているとのこと。