湯どうふ

『流』を読む

流 (講談社文庫)

流 (講談社文庫)

 

先日、台湾に行ったとき、機中で読もうとして購入した。

舞台は国民党が台湾を独裁していた時代の台北である。主人公が学生から、徴兵、職業人となるまでを描く。タイトルの「流」は20世紀の台湾が経験した激動の時代の流れに、市井の人々が生きてきたことを意味しているのだと思う。

印象的なのは、独裁下の台湾市民の生々しくもあるほどの、日常生活の描写である。食べるもの、コミュニティーのありよう、家族の在り方、学校生活や職業生活がはっきりと描写されている。これは台湾をルーツにもつ作者が、日本語で書いたからである。日本で生まれ育った日本人が過去を想像して書いたわけでも、台湾語で書かれたものを翻訳したわけでもない。

この本で檳榔(びんろう)を噛む人がたくさん出てくる。この本で初めて知ったが、噛みたばこみたいなものらしい。噛んでいると真っ赤な血のような汁が出てきて、それを皆が道にはいている。不思議な習慣だと思ったが、似たような習慣がソマリランドでもあると以前、本で読んだ。ソマリランドではカートという葉っぱを噛むらしい。

最近、日本では電子タバコが流行っている。私はいずれも興味は全くないが、なぜ、世界中に似たようなタバコ文化があって、今日まで残っているのだろうという点にはとても興味がある。 

あと、主人公の周辺はとても治安が悪い。というのも、喧嘩が何回も何回もあったり、頭文字Dみたいな車の運転をしていたりと、いったシーンがたくさんあるからである。よんでいてひやひやするので、平和主義者の人は心して読んでほしい。

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