湯どうふ

『人口減少時代の土地問題−「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ』

わが国の土地制度はめちゃくちゃであるという印象を持たせる内容である。正直なところ、土地はわかりやすそうでわかりにくい。

かつて土地は財産であり、生産資源であった。大都市と一部の地方では、まだ生産資源である。しかし、人口減少地域では、土地に買い手がつかない、二束三文といっても過言ではない状況に陥っている。

筆者はわが国の土地問題を以下のように、まとめる。

  • 登記の問題
  • 地籍調査の問題
  • 相続されない土地の問題

今日の我が国の土地制度では、土地の登記は義務ではない。筆者はこれを制度の瑕疵であると指摘する。法律的に言うと、土地の登記は対抗要件でしかない。つまり、日本では、土地を所有している事実を第三者に主張するために登記をするのである。登記をしなくても、土地の売買と所有権の移転は成立するのである。

財産にならない土地については、相続の際の関心も低い。そのため、自分自身が知らず知らずのうちに土地の権利を有しているということがありうるのである。これも、登記が改められていないことに由来する現象である。

行政による地籍調査も、登記の情報が不足しているので、膨大な時間と資源を費やすことになる。なぜ、日本では土地の登記が義務付けされないのか?何か大きな理由があるのだろう。

日本の土地制度は、所有事実が第三者から見えづらいので、売買にあたって情報の非対称性が生じている。制度に由来する、土地市場のゆがみが生じている。市場にゆがみが生じていると、損する人もいれば得する人もいる。このゆがみが解消されない理由は、得する人がいるからだろうと、特段の根拠もなく想像するのである。