湯どうふ

『男ともだち』

 

男ともだち (文春文庫)

男ともだち (文春文庫)

 

主人公を含めて、たいていの登場人物は不倫したり、浮気したり、奔放な生き方をしている。そして、基本自分勝手に生きている。結局、社会の中で似たものは集まるのだろうか?少なくとも私が今まで生きてきた周辺には、そんな類の話は聞かなかったので、(耳に入っていなかっただけかもしれない)非現実的な話のように思えるけれども、どこかにはあることなのだろう。

主人公は売れはじめのフリーのイラストレーターである。組織に属することなく、クリエイティブな仕事をする人なら、共感することが作中に散りばめられている。

組織に属していないので、好きな時間に仕事ができるし、好きな時間に休むことができる。仕事の緩急は自分で決めることができる。組織に属して仕事をするときには、社会の中でルールに合わせなければならないので、窮屈に感じる人もいる。なので、フリーの人はいいなあと言われることがある。

でも、自己完結した世界の中で、仕事を進めることは難しい。多くの場合、人間は完璧ではなく、自分に甘いからである。短期的な欲望のために、長期的な利益を逃すのである。学生時代の勉強や部活なども同じである。自分のペースを確立できる人、淡々と仕事ができる人が、成功している気がする。

どこかの本で、作家の村上春樹も淡々と仕事を進めるタイプだと読んだことがある。締切に追われるということがないそうだ。研究者にも全く同じことが言え、下に示す本も要するにそんな内容を書いている。

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)

 

 

 

三省堂書店「第一回新井賞」受賞作品