湯どうふ

若手研究者海外挑戦プログラム

若手研究者海外挑戦プログラムとは、博士課程学生が海外で90日以上、1年未満の間、研究活動を行うため、日本学術振興会が資金援助をするプログラムである。

申請

申請方法自体は簡単なようで、面倒である。一番のハードルは、海外の受け入れ研究者に学術振興会のシステム上で操作をしてもらうことである。(追加:令和2年度採用分からは、海外受入研究者を決める前に申請してもいいとか??)

申請書は学術振興会特別研究員のものの、縮小版みたいな感じである。書く範囲は少なくて済むが、その分中身をぎゅっとまとめなければならない。

業績欄は、学振特別研究員と異なり、投稿中の論文も書くことができる。特に、ハイインパクトなジャーナルにチャレンジする方針で、博士課程をしている学生にとってはうれしいことである(逆を言えば、学振特別研究員ではなぜこのようにしないのかという疑問は当然生まれる)。

語学力

あと、学振特別研究員と異なるのは、語学力について記述するスペースがあるところである。どう書けばよいかわからなかったが、私は1.大昔のTOEICの点数と、2.英語で査読付き学術論文を書いたこと、英語で国際会議で発表した経験を書いた。大学によっては、英語で講義を受けているところ、ゼミを行っているところもあると思うので、そういうことを書けばよいと思う。

採択されるまで

採択率は学振特別研究員と比べると、段違いに高い。しかも、内定者の発表は1回だけではなく、だらだらと年度途中で、段階的に発表される(なお、平成31年度分については2回目の募集を実施するようである)。補欠内定、あるいは不採用になった人には朗報である。

しかし、博士課程学生にとって、留学するというのは、学部生のように、ほいほいと簡単にできるものではない。年度末の公共事業のように、予算が余ったから、急遽、道路工事すっか!!という訳にはいかない。海外に行くかどうかは、その年の研究計画において致命的な影響を与える。途中で内定したとしても、はいそうですかと即座に海外にトビ立てられるほど、博士学生は簡単な仕事をしているわけではないので、ずるずると補欠採用を出すのではなく、ばすっ!と一気に採用してもらいたいものであり、大いに改善するべきである。

制度の背景?

学生を海外留学させなければならないという感情が、中央政府の中であるのだろう。文科省のご尽力により、海外留学の予算が拡充されているとすれば、このことは大変ありがたい(トビタテも含めて)。海外留学に関連させれば、予算が付きやすい時代であるのかもしれない。

そしてカモネギ

海外では自分でお金を持ってきて、勝手に研究してくれるならどうぞどうぞというところが、多いらしいと聞く。就職を狙う人なら、自分で外部資金を取れますアピールができるので、なお良いと思う。学振よりは競争率が低いはずなのでおすすめである。

その他

過去の採用者の行き先を見ていると、北米・ヨーロッパに偏っている印象を受ける。北米・ヨーロッパは日本と比べて、物価が高い印象があるので、このプログラムでいただける100~140万円の範囲内で留学しようとすると、90日~100日あたりが限度となると思う。半年から1年間の長期にわたり、留学しようとする場合は、本プログラムの支給費だけでは足りない。そのほかのグラント・奨学金をあわせて受給するか、自腹による研究資金の持ち出しを覚悟しなければならない。(90日の滞在であっても、持ち出しをしないといけないケースは当然のようにあると思うが)

したがって、本プログラムに応募する際は、100~140万円で、どの国ならどれくらいの期間"もつか"をよく考えることが重要である。

いずれにせよ、本プログラムの最大のメリットは、博士課程学生が自身の研究成果・研究計画をもとに、一定規模の留学資金を得られることである。申請作業が日常の研究活動に支障をきたさないことは、非常に大きなメリットである。